造血幹細胞移植後に出血性膀胱炎になることが多いのはなぜ?

アデノウイルスによって起こることが多い出血性膀胱炎ですが、通常のウイルス感染だけでなくその他の病気の治療の合併症として起こることもあります。

病気や治療とそれによる合併症で起こる出血性膀胱炎と関係について紹介をしていきます。

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出血性膀胱炎が合併症として起こる病気と治療

ウイルス感染が原因の多くとされる出血性膀胱炎ですが、他の病気により抵抗力が落ちている時にも易感染状態といって身体が感染しやすくなっている場合や、薬や治療そのものの作用や病気の合併症として起こる場合もあります。

医薬品による出血性膀胱炎では、白血病や腫瘍の治療に使われる抗がん剤や移植手術後に使われる免疫抑制剤、他にも抗アレルギー剤や中には漢方薬が原因になることもあります。また、放射線治療の後遺症で出血性膀胱炎を起こす場合もあります。

しかし、これらの薬の使用や治療の全てに出血性膀胱炎の危険性があるわけではありません。出血性膀胱炎を予防する薬を一緒に処方されて治療をしていくといった方法もあるので、これらの治療を行った人全員が出血性膀胱炎になるということではありません。

いずれにせよ、ウイルス感染による膀胱炎が原因で出血性膀胱炎が起こっているのか、薬剤による反応で起こっているのか、他の病気の症状として出血性膀胱炎になっているのかによって原因を見極めることが大切で、そのための検査が必要になる場合もあります。出血性膀胱炎の症状が起こったらすぐにお医者さんに相談して指示に従うようにしてください。

出血性膀胱炎の症状が出た場合のお医者さんに報告するポイントは以下のようになります。

・血尿の程度
・膀胱炎の症状の程度(排尿痛、残尿感、頻尿、排尿の切迫感など)
・飲んだ(もしくは現在飲んでいる)薬の種類
・薬の量(一日何回、何錠など)
・服用開始から現在までの期間

出血性膀胱炎を起こす治療について

上記にあげた抗がん剤や免疫抑制剤の使用、放射線療法については実はある共通点があります。それは、身体の中の悪い組織(細胞)をやっつけるための治療で、自分自身の免疫機能をさげてしまうことがあるということです。

例えば、白血病や再生不良性貧血の治療として行われる造血幹細胞移植では、造血幹細胞が含まれる血液を患者さん自身の血液(自家造血幹細胞移植)もしくは他の人から(同種造血幹細胞移植)からもらって移植をする治療法です。

この造血幹細胞移植のうち、同種造血幹細胞移植後に問題となるのはウイルス感染症です。移植とウイルス感染とは実は深い関係性があります。

こうした移植術では治療のために他の人の正常な細胞(血液や臓器など)を自分の身体に移植するのですが、そのことで自分自身の身体が自分の細胞以外のものを敵としてみなし攻撃をしてしまうのです。こういった外から自分の身体の中に入ってくる異物への反応は、本来誰もが持っている自分の身体を自分で守るための機能の一つです。

しかし、この機能により移植された細胞を攻撃し、自分の身体をも攻撃してしまうのです。これを押さえるための移植の前から移植後にかけて免疫抑制剤を使用します。そのため、自分自身を守る免疫機能も下げてウイルスや細菌に感染しやすい状態となります。免疫機能が下がっていると、普段なら身体が負けないような弱いウイルスや細菌などにも感染しやすくなります。

同種造血幹細胞移植では移植の前後に免疫抑制されるため、免疫抑制機能の程度が高度で外からのウイルスや細菌感染はもちろん、身体のなかで潜伏して症状が出ていなかった病原菌が活性化して、普通の人では見られないような感染症を起こすことがあります。

同種造血幹細胞移植後にみられる感染症の元になるものとして、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、水状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6型、またアデノウイルスがあり、アデノウイルスによる出血性膀胱炎は珍しくなく、よく見られる合併症の一つです。

そして、これらのウイルスは元々身体の中に潜んでいたり、本来なら免疫力が弱い子どもがかかるような感染症の原因となるようなウイルスです。

これらのような要因で、治療によって免疫が抑制された場合には感染症を起こしやすい状態となり、結果としてウイルス感染し出血性膀胱炎になることがあります。事前に治療で起こる合併症がその時の対処などをその治療を行うお医者さんとよく話合うようにしましょう。

合併症で起きた出血性膀胱炎の治療

では、実際にこうした合併症で起きた出血性膀胱炎の場合どうしたらいいのでしょうか?

先程の同種造血幹細胞移植後でいうと、軽症の場合には輸液を点滴をして出血している分の身体の中の水分を補います。しかし、肉眼でもみてもわかるような血尿が出るような重症な場合には、出血が膀胱内で固まりおしっこが出なくなるようなことがないよう、大量の輸液を点滴するとともに膀胱にカテーテルを入れて持続的に膀胱の中を洗い流す膀胱洗浄(膀胱潅流)を行う場合もあります。また、その原因のウイルスに対して抗ウイルス薬を使うこともあります。

いずれにせよ、お医者さんの指示で経過を見ながら検査や治療をしていきます。こうした免疫抑制などの合併症によるウイルス感染が原因の出血性膀胱炎の場合は、そのウイルスが身体の中に拡がりやすくもあり出血性膀胱炎だけでなく全身状態が悪化するようなことも考えられます。

出血性膀胱炎の症状が見られたら、すぐに治療を行っているお医者さんもしくは専門医に相談するようにしてください。

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