間質性膀胱炎の原因は不明?原因不明で治療はできるのか

間質性膀胱炎の多くは原因不明ですが、医学の進歩とともにそれが膀胱内の粘膜の異常による炎症で起こるものではないかという説や、自己免疫やアレルギーなどではないかという説などが考えられ、その原因や対処法が少しずつ解明されつつあります。

どんな検査や治療法があり、また辛い症状への対処法はどんなものが現在あるのか紹介していきます。

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間質性膀胱炎の考えられる原因

間質性膀胱炎では急性膀胱炎とよく似た症状が見られますが、頻尿(昼夜問わず一日に何回も排尿に行く)や尿意切迫感(急に我慢できないぐらいの尿意がある)、また失禁などが現れることがあります。

こうした症状は過活動膀胱と言われ、間質性膀胱炎ではこの過活動膀胱症候群と同じような状態です。間質性膀胱炎では膀胱鏡で見るとその膀胱内の粘膜に広範囲で点状の出血が見られたり、ハンナー潰瘍という地割れをしたような粘膜の異常変化が見られます。

こうした粘膜の異常変化により膀胱に尿が溜まり膀胱が拡がると膀胱内で出血を起こし、痛みを引き起こします。

間質性膀胱炎は年齢や性別関係なく起こりうる病気ですが、圧倒的に中高年の女性に多く見られます。間質性膀胱炎では膀胱粘膜の異常が見られることが多いため、膀胱粘膜の異常変化により起こるのではないかとされています。

他にも、自分の細胞以外の異物に対して排除するための免疫機能が過剰な反応を起こして自分の正常な細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患や、アレルギーが原因ではないかとも言われています。様々な説がありますが、決定的に明らかにはなっていません。

そのため、診断までに時間がかかるか、もしくは誤診されて治療せずにいると、膀胱内の粘膜の異常変化はどんどん進行して膀胱は萎縮して小さくなり硬くなります。

そのため、膀胱が尿を溜められる量もどんどん少なくなり、頻尿や尿意切迫感、また失禁などの症状も悪化していきます。

<間質性膀胱炎の症状の目安>

◎正常では
・一回の膀胱容量…約300ml
・一日の尿量…約1500ml
・一日の排尿回数…7回まで

頻尿:昼夜を問わない一日8?10回以上の排尿。
排尿量の減少:一回の排尿量が減る(200ml以下 ※およそコップ一杯以下)。
排尿痛:ただし、尿が溜まっている時に膀胱部分が痛み、排尿とともに軽くなることが多い。また、痛みのため早めにトイレに行く人が多くそこまでひどい痛みを感じてない人もいます。
尿意切迫感:急に我慢できない程の尿意が出てきます。
尿失禁:我慢しようとしても尿が出てしまいます。

間質性膀胱炎の検査

間質性膀胱炎は細菌感染が原因ではないので、簡単な尿検査などでは異常は認められません。それが故に「精神的なもの」や「気のせい」として誤診されやすい傾向にあります。

間質性膀胱炎を診断するには、専門的な検査が必要となってきます。そのためには、まず通常の急性膀胱炎や他の病気が原因で症状が出ているわけではないことを確認しなければなりません。

そのために、尿検査を行います。一般的な尿の成分検査だけではなく、尿の勢いや尿が出る量、またどれだけ膀胱の中に残尿があるかなどを調べます。

その都度、必要に応じて超音波検査で膀胱の中やまた周囲の臓器の様子をみたり、血液検査などで身体の中でどんな変化をしているかを診ていきます。

また、同時に他の病気がないかどうかも確認していきます。間質性膀胱炎の検査では痛みが強いため、膀胱鏡の検査などでは麻酔を使う他、外来での検査が難しいこともあり入院して検査をする場合もあります。

<間質性膀胱炎で行われる検査>

1.問診:普段の排尿の様子や膀胱炎の症状について聞きます。
2.尿検査:感染がないか、尿の中の成分などを診ます。
3.排尿日誌:1日24時間の排尿時刻と排尿量、尿意の有無などを記録します。これにより一日の排尿回数や一回の排尿量がわかります。
       排尿日誌はネットで調べるとダウンロードできるサイトがいくつか出てきます。
4.超音波(エコー)検査:膀胱内の様子やその周囲の臓器を診ます。
5.血液検査:身体の中で炎症が起きてないか、他に影響をしている臓器はないかなどを調べます。
6.膀胱鏡:麻酔をして膀胱内の粘膜の状態などを内視鏡で直接診ます。
7.膀胱水圧拡張術:下半身麻酔をかけて膀胱の中に生理食塩水を入れて膀胱を膨らませます。それにより膀胱内の粘膜の変化や出血の有無やその程度を診ることができます。この膀胱水圧拡張術は検査だけでなく治療目的としても行われることがあります。
8.膀胱生検(細胞診):膀胱内粘膜の細胞を採取します。尿の中にがん細胞がないか確認します。

間質性膀胱炎の治療と症状への対処法

急性膀胱炎に対しては、細菌感染が原因なので抗生物質や抗菌剤が有効ですが、間質性膀胱炎は細菌感染が原因ではないので抗生物質や抗菌剤では治療はできません。

原因が不明なので、完全に治癒をさせる方法が確立されていませんが、いくつかの治療を組み合わせて症状を和らげ消失させることを目標に治療をしていきます。

1.膀胱水圧拡張術
  ・間質性膀胱炎の治療として一番に行われます。検査と治療目的両方で行われます。萎縮して縮んだ膀胱に、生理食塩水を入れて水圧で膀胱を膨らませます。
 
  膀胱水圧拡張術をしてから、約半数は症状が軽快してくれますが、一時的に約1?3週間は症状が悪化する場合もあります。
 
  しかし、この水圧拡張術の効果は約1?8ヶ月間程度で、その後再び水圧拡張術や他の療法を追加して治療をすすめていきます。
 
2.薬物療法
  ・抗うつ剤や抗ヒスタミン剤、ステロイド剤などで痛みを和らげます。
 
3.膀胱内注入療法
  ・膀胱の中に直接、ヘパリンなど血液が固まらないようにする薬や局所麻酔薬などで出血や痛みに働きかけます。
  しかし、これらは持続時間はそんなに長く持ちません。膀胱水圧拡張術の効果を長くもたせるために補助的に行われます。そのため、お医者さんの指示で約1?4週間の間隔で定期的に外来に通います。
 
  また、治療効果は1回で出るとは限らず、最初は続けて、それから週3?4回と間隔を開けていきます。可能であればそれを12ヶ月間続けますが、効果が出るのにも1年ぐらいかかる場合もあります。
 
4.膀胱訓練
  ・トイレに行きたいなと思ったら、ほんの少しだけ我慢します。そうして、少しずつ排尿と排尿の間の時間を延ばし、膀胱内に溜まる尿の量を増やして行きます。
  排尿パターンを知るとより効果的に行えるので、排尿日誌をつけながら膀胱訓練をすることをおすすめします。
 
5.電気刺激療法(TEN)
・恥骨の上方で電極を起きます。治療時間はお医者さんの指示により約30分?2時間程度です。これを一日に2回、毎日行っていきます。痛みの軽減に効果があるとされていますが、他の治療と一緒に行われることが多く治療効果としては定かではありません。 
6.膀胱拡大術・膀胱摘出術
  ・痛みや膀胱炎の症状が強く、日常生活に著しい支障をきたしてる人には膀胱を拡げる手術や、膀胱を摘出する手術をすることもあります。
  しかし、手術をしても痛みが残る場合もあり、これらの手術を行う場合にはメリットとデメリットを聞いて、お医者さんとよく相談しながら、慎重に検討するようにしてください。
  □膀胱拡張術:腸管を使って膀胱を拡げます。
  □膀胱摘出術:手術で膀胱を摘出します。
 
7.食事管理
  ・個人差がありますが、ある特定の食べ物を食べると痛みなどの症状が強くなる人がいます。一般的には身体の中を酸性にするものや酸性の強いもの、香辛料などの刺激物、カフェインが多く含まれているもの、チーズや豆類などを食べて痛みが強くなる人が多いようです。
  自分が食べたものを振り返って、症状がひどくなるような食べ物は口にしないようにしましょう。もし、万が一、症状を強くする食べ物を食べてしまった場合には、身体の中でその成分が薄まるように十分に水分を摂るようにしてください。

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